太陽電池のI-V測定技術
田原電機製作所では、様々な工夫を凝らし、安価で簡単に精度良く太陽電池のI-V測定ができる装置(太陽電池アレイチェッカー)を開発いたしました。日本、アメリカ、カナダ、韓国の4カ国で特許を取得しています。
製品仕様
現場作業を考慮した四端子法の実現
弊社測定器の接続方法は、四端子法となります。電圧と電流を同一ケーブルで接続する二端子法は、測定ケーブルに大電流を流すとケーブルの抵抗値によって電圧降下が発生します。四端子法とはその影響を無くすために、電圧と電流を別々の線で接続する方法です。通常ですと測定器に4つの端子があり、それぞれを太陽電池に接続するため、8点接続する必要があります。 弊社では、測定器側の端子をコネクタとし、更に太陽電池への接続ケーブルを電圧、電流用にそれぞれに纏めてワニ口クリップとして3点での接続方法に改良しました。接続作業を大幅に簡略化しつつ四端子法の接続を実現しています。

測定ポイントの自動設定
弊社測定器の測定方法は下記の通りです。
- 測定器の最大電流値設定で電子負荷を動作させ短絡電流を検出します。
- 検出した短絡電流値に合わせた負荷電流パターンを設定します。
- 決定されたパターンで太陽電池に負荷をかけてデータ測定。

最大電力点を逃がさない加重ポイント割振
シリコン結晶系の太陽電池は大体、短絡電流に対して約9割、開放電圧に対して約8割辺りが最大電力点となります。
太陽電池の場合、一定値以上の電流を取り出すと急激に電圧が落ちる特性がありますので測定ポイントを最大電流に対して等間隔にした場合は、大事な最大電力の辺りのデータが粗くなってしまう可能性があります。 もし負荷電流装置の最大電流値から固定的に割り振っていますと、有効な測定ポイント(データ)が少なくなってしまう問題が起こります。 例えば、短絡電流2Aの太陽電池があるとして10Aを測定する設定では、8/10は無駄なデータになってしまいます。(100ポイント測定したとしても、有効データは20ポイント)
これを回避するために短絡電流に合わせて測定パターンを決定し無駄になるポイントを減らします。(※内部的には0~1Aまでのパターンを内部に用意し、短絡電流値に合わせた倍率を掛けて設定)弊社測定器は、測定電流ポイントを小電流域では測定ポイントを少なくし、大電流域では測定ポイントを多く割り振る事によりピーク電力箇所を取り逃さないよう工夫しております。

電子負荷方式による安定測定
測定データの取り方について説明します。これは太陽電池の電圧と電流をオシロスコープで見ている図です。まず電流が0の状態となっています。ここから電流を取り出します。一定の電流となっていますが、電圧はだらだらと落ちてきます。
太陽電池やバイパスダイオードなどのシリコンPN接合箇所にはコンデンサ的性質を示す接合容量があり、定電流を引き出しても実際の出力電圧まで安定するのに時間が掛かります。そこで、弊社の製品は電子負荷にて定電流負荷制御を行い、時間をおいて電圧が安定した時に測定しています。これで接合容量の影響を受けない正確な値を測定出来ます。

パルス式電子負荷制御
電子負荷を動作させると対象の電力が大きければ大きい程、発熱が大きくなり機械も大きくなってしまいます。普通の電子負荷装置では数十kgのものになってしまいます。(1kWの電子負荷装置で20kg(目安))
一気に短絡させて高速で測定すれば発熱は少なくなりますが、電池の接合容量などが影響してしまいます。そこで、一定時間の定電流負荷制御をして電圧安定時に測定後、負荷開放。一定時間放熱して次の測定と繰り返すパルス状の計測をすることにより発熱を抑え装置の小型化を実現しております。

PCソフトウェア開発事例
研究向けソフトウェア
長期間にわたり太陽電池の出力特性を測定、データ管理するPCソフトです。電力や日射強度等を時系列で見ることが出来ます。
- 測定間隔と回数、測定時間設定、日の出-日の入までなどの様々な測定モードを具備しております。
- 測定地域での日の出-日の入時間を自動算出し、長期間に渡り自動的にデータを収集することが出来ます。
- 最大4台の測定器を制御し、モジュール角度やモジュール種類などによる違いを確認するための測定データ収集が可能です。
- 時間、日、月、年の期間まとめ表示機能により、データを分かりやすく見ることができます。


