タッチパネルは多くの工場設備、プラント設備で現場プロセスの監視や制御に使用されています。また、現在ではスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末を活用したリモート監視制御のニーズも高まっています。
今回は、このニーズにマッチし、リモートで制御盤タッチパネルと同等の監視制御機能を実現する「GOT Mobile機能」を用いた事例をご紹介します。
VNC(Virtual Network Computing)サーバ機能により、無線LANを経由して離れた場所からスマートフォンやタブレット端末を用いて制御盤GOTをリモート操作します。
また、制御盤GOTの画面を、そのままモバイル端末で共有することにより、新たな画面構築をせず、構築工数を削減しています。
図1:システム構成図
今回はiPad Airを採用しています。
メーカー | 機種 | OS | バージョン |
Apple | iPhone11 | iOS | 13.3.1 |
Apple | iPad Air | iOS | 12.4.6 |
Dell | Inspiron13 7000 | Windows10Pro | 64ビット |
設置環境により、2種類のアクセスポイントで構築しています。
アクセスポイント1 | アクセスポイント2 | |
無線LAN規格 | IEEE802.11b/g/n | IEEE802.11b/g/a/n/ac |
周波数帯 | 2.4GHz | 2.4/5GHzデュアルバンド |
最大通信速度 | 300Mbps | 860Mbps |
電源 | PoE給電 | PoE給電 |
監視室、制御室といった場所の制限がなくなるため、工場設備やプラント設備の確認・設定作業がスピーディーになり、立上げ効率がアップします。
制御盤GOTに表示される多くのプロセス情報や異常情報をモバイル端末が共有します。かつ、操作対象機器の近くで機器状態を確認しながら操作することが可能になり、作業者の利便性と効率的な点検と保守作業につながります。
現場による監視操作を必要とする多くの現場では、操作や機器点検の容易性・耐環境性を考慮して機側操作盤を設置します。小型軽量で持ち運ぶことができるモバイル端末を用いることで、機器点検を目的とした機側操作盤や、その設置工事の削減、あるいは機側操作盤の小型化が可能になります。
図2:機側操作盤の削減
タブレット端末の接続パスワードによる不正アクセスの防止。タブレット端末操作権の排他制御による同時操作の禁止。また、タブレット端末でタッチon中の通信断絶では強制的にタッチoff状態にするなど、セキュリティー及び安全面に配慮されています。
しかし、現場から離れた場所での操作は、現場作業員との十分な安全確認が重要です。
工場・プラント分野の無線通信化も、その信頼性とセキュリティーが高まることで、ますます導入が進むと考えられます。また、5Gによる無線通信の進歩は社会インフラ設備への活用をも後押しし、監視と制御技術の飛躍的な向上が期待されます。
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