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LPWAを用いた
センサーデータの可視化

SigfoxとAT&T M2Xを用いて離れた位置の温湿度データ取得

LPWAを用いたセンサーデータの可視化

LPWAとは

LPWA(Low Power Wide Area)とは低電力かつ長距離でデータ通信処理を行う通信方式。
LPWAの特徴としては低電力、広範囲になります。

低電力: 

低電力で駆動できるため電源が確保できない場所でも安価な乾電池を用いることによって、高容量のバッテリーを購入するよりコストダウンを望めます。

広範囲:

Bluetooth、Wi-Fi等を上回る長距離でデータ通信が出来るため、山奥など僻地での使用も可能となります。

上記の理由によりIoTで用いるのに最適な無線通信技術と考えます。
弊社でIoTを始める際に3G、LTEなども考えてはいましたが、大きいデータを送る必要はなく通信料が高く困っていたところLPWAを見つけることが出来ました。
より詳細は京セラコミュニケーションシステム(以下KCCSと表記します)の「LPWAの優位性」をご覧ください。

Sigfoxとは

SigfoxとはフランスのSigfox社が開発したLPWA規格の無線通信です。
Sigfox社の戦略として正規代理店を1国1社で進めており、日本ではKCCSが事業者となっています。
KCCSがネットワークの整備を行っているためこちらで基地局を用意することなく始めることが出来ます。(通信が出来ない場所では中継局が必要になります)
また、機器からのデータを集積するクラウドも無償で提供されています。
カバーエリアについてはこちらをご参照ください。
今回Sigfoxで開発を行ったのは上記の理由といつもお世話になっている御客様からのご紹介で始めました。より詳細はKCCSの「Sigfoxとは」をご覧ください。

Sigfox仕様

仕様項目 上り 下り
伝送容量 12byte 8byte
通信速度 100bps 600bps
通信回数 140回/日 4回/日

システム構成

今回は設定ができるだけ簡易且つ、安価で試せるIoT開発を実施しました。
Sigfoxでは基地局やデータ集積用クラウドが提供されているため追加費用は発生しません。
またAT&T M2Xも無償提供されているため、初期費用を抑えたシステムが構成できます。

使用した機材等

  • Sigfox Shield for Arduino(アンテナ、温湿度センサ、気圧センサ、加速度センサが標準装備)…Sigfox基地局にデータを上げるために使用するもの
  • Arduino UNO R3…データ処理などプログラムを書き込むための物
  • AT&T M2X(Webサービス)… 受け取ったデータでグラフを作成するサービス
  • Sigfoxクラウド(Webサービス)…Sigfox機器から出力されたデータをため込むためのクラウドデータベース
  • USBケーブル(USB2.0 Bコネクタ)…PCとArduino UNO R3を電源供給やプログラムを書き込むために必要な物
  • Arduino IDE(ソフト)…Arduino UNO R3にプログラムを書き込むためのソフト
Arduino UNO R3

Sigfox Shield for Arduino

結果

下記の参考URLに従って設定を行った結果が下のグラフになります。

温度グラフ

まとめ

今回ご紹介した構成は試しにLPWAを始めたいという方に丁度良い構成だと思います。開発の結果、下記課題が見つかりました。 

  • Arduino側の消費電力が高かったためLPWAの特徴である低消費電力を生かすことが出来なかった
    →Arduino側でスリープなどの設定を行うことにより対応できる
  • AT&T M2Xを使用したことによりグラフ表示以外のシステムが出来なかった
    →お知らせ機能やデータの編集が行えるツールを検討していく
  • 15分毎の動作でしたが若干のずれが生じた
    →RTCによるタイムクロックモジュールを用いて正確な時間を取得する

次の機会があれば、上記課題を解決していきたいと思います。

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